これからは予防ケアを常識に
欧米諸国に比べて、日本人はお口の健康への意識が低いと言われています。歯科先進国のスウェーデンの70歳の残存歯は平均21本ですが、同年代の日本人は平均16本しかありません。
この差は、欧米諸国では幼少期から予防ケアを行なっているためで、予防ケアを徹底すれば、いつまでも健康な歯を維持することは可能です。
予防ケアではむし歯や歯周病の原因となるプラーク(歯垢)をしっかり落とすことが大切で、正しい歯磨きなどの「セルフケア」と、定期的に歯科医院で歯のクリーニングや検診などの「プロケア」が基本です。早めに予防ケアに取り組みましょう。
予防ケアのメリット
今は優れた入れ歯や義歯を作ることができますが、ご自身の歯に勝るものはありません。予防ケアを続けることで、いつまでもご自分の歯でお食事や会話を楽しむことができます。 また、むし歯や歯周病になると、全身疾患を誘発・悪化させるリスクも高まります。予防ケアでお口の健康を守ることで、全身の健康維持にもつながります。
また、予防ケアを行うことで治療費を抑えることもできます。
予防ケアを続けることで、健康なお口を保つことができるほか、全身の健康を守る、豊かな生活が維持できる、金銭的な負担も抑えるなど、さまざまなメリットがあるのです。
歯科医院で行う予防
厚生労働省では、4ヶ月に1回の定期歯科検診を推奨しています。
とくに、乳歯や生え変わったばかりの永久歯は歯質がまだ弱くてむし歯になりやすいため、定期検診は非常に大切です。
また、入れ歯やブリッジ、インプラントといった義歯治療を受けた方は、プラークや歯石が付着しやすいほか、義歯のメンテナンスも欠かせないため、やはり定期検診が重要です。
入れ歯の場合、顎の形は少しずつ変化していくため、それに合わせて調整をしなければいけませんし、インプラントは「インプラント周囲炎」にかかる可能性が高いため、まめにチェックをしておく必要があります。
「とくに問題なく使えているから大丈夫」と思わず、良い状態を維持するためにも定期検診を行いましょう。
ご自宅で行う予防
健康なお口をキープするためには、歯科医院での定期検診やクリーニングなどの「プロケア」のほかに、ご自宅での毎日の歯磨きといった「セルフケア」も大切です。
むし歯や歯周病の原因となるプラークをしっかり取り除くために、ご自分の歯並びにあった「適切なブラッシング」を覚えるほか、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助グッズを併用することも効果的です。
また、食べる時はよく噛んで唾液の分泌を促し、顎に刺激を与えることや、むし歯になりにくい食材を選ぶこと、お子様には大人の方が仕上げ磨きすることもお口の健康維持につながります。
